富良野市の小野貴弘さんと託也さんは兄弟で農業を営んでおり、兄の貴弘さんがイチゴ、弟の託也さんがミニトマトを栽培している。いずれも三菱ケミカルアグリドリームのフィルムを使用しており、イチゴハウスは「ダイヤスター」展張し大きな効果を実感しているという。
小野さんの圃場は富良野 市中心部から少し離れた北大沼というところにあり、タマネギ畑が多いところに棟ほどのハウスが連なっているので一際目立っている。小野貴弘さんは、11棟のハウスで「さがほのか」を高設で栽培している。例年6月後半に育苗を始めて9月に定植し、月後半には収穫が始まるが、富良野は盆地なので昼と夜、そして夏と冬の気温差が大きい過酷な気象条件下で栽培が行われる。とくに年末から春先にかけては寒さが厳しくて雪も多く、マイナス20℃から30℃近辺まで下がるので暖房費が大きなウエイトを占める。
ハウスは長さ60㍍、軒高3㍍、間口7.2㍍で、フィルムは三菱ケミカルアグリドリームの耐久無滴農POフィルム「ダイヤスター」を展張している。「冬の富良野は日照がなくて一か月に数日しか晴れません。ですから冬イチゴを栽培するには透明度が高いダイヤスターが富良野には適していると思います。風害に強くて耐寒性もありますし。新たに3棟ダイヤスターに張り替えたところです」
小野貴弘さんが作るイチゴは甘くておいしいと評判になっており、市場出しのほかにケーキ屋からの需要が多いという。「ケーキ用や大福等の加工実需に提供したり、あとは美瑛の方でも扱ってもらっています。道の駅が出来たのですが、そこからもイチゴ、イチゴと言われていて、わざわざ買いに来てくれます。夏イチゴには、ホクサン㈱が開発した四季なり性の「すずあかね」の栽培を始めました。果実が大きく1果重に優れ、果形は丸みを帯びた球円錐形をしている。酸味があってケーキに合うイチゴだという。「初めて作るにはいい味しているかなと思っていますが、もっといい夏イチゴの品種が出てくれればいいんですけれども」
ハウスは三重張りにしていて一番外側にダイヤスターを張り、内張りとしてイースターと高機能カーテンの快適空乾を使っている。小野貴弘さんはとくに快適空乾の性能に惚れ込んでいる。「この快適空乾はとにかく一押しのカーテンですね、お金があれば二重にしたいくらいです。理由はやはり冬の湿度ですね。灰色カビだとか病気もの出方も全然違います。やはりイチゴはカラッとしているのが一番いいので、これ無くしてはイチゴが出来ないくらいです」快適空乾は塗布無滴処理と特殊な微細孔加工を施しているので、適度な透湿性でカーテン内湿度が低く推移する、ボタ落ちが少ない、光透過性に優れる、といった特長がある。
ハウスがある場所は 美瑛にも似た北海道らしい景色が広がっており、観光農園にしてもいいような所だ。「結構この辺に車を止めて写真を撮っている人が多かったり、近くでドラマの撮影とかもしています。だから観光農園にするのもいいなと思っています。そして将来的にはラズベリーとかブラックベリーとかもやってみたくて、いまちょっとずつ増やしているんです」
小野貴弘さんの夢は北海 道の大地のように果てしなく広がっている。